向かって右隻には春から夏、左隻には秋から冬と、四季おりおりの花木や鳥類が目にも鮮やかな色彩で描き出されている。金地金雲に極彩色で四季の花鳥を描いた屏風は、狩野元信の創始により、狩野派の伝統的画題として室町時代より描き継がれた。
本図はさまざまな花鳥が緊密に配され、胡粉盛上げがある金雲・金地に花木や水流、遠山が前後に入り組み、きわめて装飾性に富んだ複雑な構成をみせている。大画面に四季の全てが一堂に会する世界は、さながら地上の楽園のようで、大名の御殿空間を寿ぐにいかにもふさわしい。
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